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ロケッツはハーデンとともにどこまでいけるのか

シーズン前の予想通り、ハーデンを中心としたロケッツは守備面で丁重な出来となっている。ハーデン、ゴードンやアンダーソンなどが急に守備力が向上するのは想像した難いし、アリーザが25歳時の高い守備力が復活することもありえない。

ロケッツは昨シーズン、ハーデンとハワードのロッカールームでの関係から欠けてしまった守備で全員がハードワークをし、互いに助け合うケミストリーを作り上げようとしている。

「ディフェンスで最も重要なのはチームとしてのケミストリーだ。」と新監督であるダントーニは

選手は攻撃時により多くボールにタッチし、攻撃に参加していると感じる時それがディフェンスのハードワークに繋がることが多い。ロケッツは今シーズン、多くのシューターがロースターに名を連ね、ハーデンからパスを受けた際にシュートを打つというオフェンスが主体となっている。

現在の攻撃システムは少なくともハーデンがプレーしている間は素晴らしい出来である。ハーデンはレブロンを覗いて最も素晴らしいピックアンドロールからのプレーメイカーであるといえる。そして、ロケッツはその周りをピップアンドポップが得意なシューター、ライアン・アンダーソンやスクリーンをかけ、そこからリムへ向かう動きが得意なカペラとネネという2人のビッグマンなどを起用し、ハーデンを最大限に生かす戦術を取っている。

ロケッツはハーデンがコートにいる際、ポゼッションのうち、34%がハーデンで終わっており(シュート、ファールをもらうまたはターンオーバー)、また他のチームメイトの得点全てのうち61%をアシストしている。決して自己中心的ではないが、ハーデンが攻撃の全てを行なっていると言っても過言ではない。ロケッツは1試合平均のパスがダントツの最下位であり、それはハーデンのドリブルからのフィニッシュまたはパスひとつからのシュートという攻撃がほとんどだからだ。

ゲーム終盤では、ハーデンはスローダウンし、1対1で攻撃することが多い。ただ、それはダントーニ監督を決して困らせることではない。ハーデンのアイソレーションは一般的にはいいものだ。誰も彼を止めることはできないし、もし、ペイント内でヘルプのディフェンスが来た場合はチームメイトへパスもできる。

「我々の攻撃はバスケットボールの教科書には載ってないし、父親から教えられた良い攻撃システムではないが、それでも効果的である。」ーダントーニ

また、この攻撃スタイルはダントーニ時代の全盛期のサンズの戦い方とも違う。サンズはナッシュ、アマレ、マリオンといった3人のトップ20選手が在籍しており、ナッシュは今のハーデンと同じくらいボールを所持していたが、年間1試合平均で13.5シュート以上を打ったことがない。一方でハーデンは平均20本前後シュートを放っており、これはロケッツのロースターの中で彼が唯一のトップ50の選手であるため、むしろそれだけ多くのシュートを打たなければいけない状況である。ロースターにスターが1人だけしかいないことはもちろん好ましいことではない。

ロケッツはたくさんのシステム上の限界に直面している。アンダーソンは相手のピックアンドロールに対するディフェンスに対して穴となってしまう。多くのチームがアンダーソン相手にスモールラインナップで挑み、機動力に乏しい彼によりスピードのあるウィングプレイヤーを当てて、ミスマッチを作る戦術をとる。

アンダーソンはこういった相手に対し、ポストプレーで苦しめることはできるが、ロケッツは彼にそういった攻撃をあまり望んでいない。パスを受けるとひたすらロングシュートを打ちに行き、ほとんどパスもしない。

カペラは未だにプレーを学んでいる段階であり、ピックアンドロールから相手PGにやすやすとペネトレイトさせてしまう場面がある。アリーザは衰えが見え始めているし、ブリューワーは頼りにすることはできないギャンブラーだ。ハーデンとゴードンも守備面に関しては平均以下の能力である。いくつかのドライブとスクリーンを使用すると、ロケッツの守備は大抵綻びが見えてしまう。

ハーデンは未だに多くのターンオーバーを献上しており、さらにその際に急いで相手を追うわけでもなく、コート中央で横着にスティールを狙うことも目立つ。また、対峙している相手がボールを持ってない時に集中力を切らして、カットインを許す凡ミスも少なくない。

ロングシュートが入っているときはロケッツはとてもいいプレーをする。しかし、ロングシュートの精度が低い時や相手のストッパーにハーデンが止められた際にロケッツがどのように良いプレーができるかは疑問だ。たとえ、ロケッツのシステムがハマったとしても、ハーデン1人しかスターがいないこのロースターではウォーリアーズやスパーズなどの強豪チームを相手にする際は厳しい戦いとなる。

サンダーで以前、デュラントの陰でナンバー2、3として不満を持っていたウエストブルックとハーデンが現在、プレーオフ圏内中盤程度のチームの大エースとなり、「ボールをほとんど所持している彼らとともにプレーしたい第2のスターはいるのか?」という問題に直面しているのは興味深い。

昨年までロケッツに在籍していたドワイト・ハワードは理想的な相棒であると思われた。ハーデンの守備の弱点を補う圧倒的なペイント内での存在感を持ち、ボールを長い時間所持するタイプでもないからだ。しかし、ハワードも自分の役割に納得できず、結局昨オフホークスへ移籍した。

ハーデンはボールを長時間独り占めするスタイルでのみしかプレーできないという評価に反論する。

「僕はどんな選手とでもプレーできる。ボールを所持してもしなくてもプレーできる。コーチがプレーしろと言われたことをただするだけだ。

今後もヒューストンはハーデンの相棒のペイント内での得点が得意なリムプロテクターを探し続けるだろう。ロケッツは現在今後の戦い方の選択をしなければならない状況だ。現在のハーデンを王様とするシステムに合うことを条件に小さなアップグレードをし続けていくか、それともハーデンとフィットするかは不明だがもう1人のスターを獲得するかだ。おそらく、長い腕を持ち、守備力、シュート力ともにアリーザより高い中程度のサラリーのウィングプレイヤーを探すことが現実的だろう。

しかし、最終的には、モリーGMが再びスターの獲得を狙う可能性が高いだろう。ロケッツ、サンダーがともにブレイク・グリフィンがFAになった際に獲得を狙うだろう。グリフィンはボールを長い時間所持してるガード(CP3)とのプレーは慣れているし、どんな状況でも彼自身を輝かせる方法を見つけることがある。そして、ポストプレーでポールとジョーダンの間の繋ぎも可能であるからである。

モリーGMは現在のチームのロースターについてこのように語っている。

「我々はチャンピオンチームのエースになれる選手はいる。ただ、間違いないことが一つある。お互いが噛み合えば、より多くのいい選手がいれば、よりいいチームになれる。」

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