今日のNBAで勝利を収めるためには、素晴らしい選手がプレーし、素晴らしいコーチが指揮し、そういった選手やコーチを獲得する賢い経営陣が必要だ。しかし、他にもう一つ必要なことがある。それはアイデンティティだ。
アイデンティティなく、様々な選手たちをともにプレーさせることはそれがいい選手たちであっても時として、うまくいかない。全ての選手たちがチームのコンセプトにフィットする必要がある。ヘッドコーチがオフェンス、ディフェンスのシステムを構築し、GMはそのシステムに適した選手たちを獲得しなければならない。選手たちはそのシステム内で的確にプレーする必要がある。
スティーブ・クリフォードがヘッドコーチに就任した2013年からシャーロット・ホーネッツは自分たちがどのように戦うのかをしっかりわかっている。ホーネッツは毎試合、同じ戦い方を徹底している。攻撃ではケンバ・ウォーカーを中心に据え、他選手がサポート役に徹する。そして、守備面では速攻に対し、全速力で帰陣に戻り、容易にゴールを許さないなど、ハードワークを徹底する。リム付近を厚く守備し、ミドルレンジのシュートを多く打たせる。ファールはほとんどせず、ディフェンスリバウンドを確実にものにする。
この戦い方によって、クリフォードHC就任後3シーズンで2シーズンプレーオフに進出している。13-14シーズンは前年から22勝も勝ち星を上積みし、昨シーズンも前年から15勝も上積みし、チームとして16シーズンぶりの48勝をあげた。そして、今シーズン、クリフォードHC就任後、最高の攻撃、守備ともに効率をマークし、8勝3敗でイースタンカンファレンス3位に位置している。
この快進撃は毎年着実に成長していると言えるケンバ・ウォーカーが引っ張っている。6シーズン目を迎えたケンバ・ウォーカーは今まで以上に攻撃面で大きな役割を担い、その上で効率性を上げてきている。今シーズン、よりスリーポイント試投数、成功数ともに増加しており(6.9試投数、47.8%)、フリースロ試投数平均の6.3もキャリアハイだ。さらに、ピッチにいる際の他選手の得点32.1%をアシストしている。
ウォーカーは今シーズン、持ち前の力強いドライブにさらに磨きがかかっただけでなく、スリーポイントの精度を向上させるなど自己最高のシーズンを送っている。そして、ウォーカーのピックアンドロールの相手がチームには多数いる。コディー・ゼラーはほとんどの対峙する相手センターより運動能力に長けていて、また優秀なパサーでもある。マービン・ウィリアムスはピップアンドポップからのスリーポイントを決めれるため、ウォーカーのドライブの手助けにもなる。スペンサー・ホーズとフランク・カミンスキーのベンチのビッグマンも同様なプレーができる。
もし、ウォーカーがドライブのコースを遮断された場合、ニコラス・バトゥームやマルコ・ベリネッリらがウイングでシューター、そして第2のボールハンドラーとして待ち構える。そして、マイケル・キッド・ギルクリストもオフェンスリバウンドを多く獲得できる。各々の選手が自分の役割をしっかりと理解し、遂行している。
しかし、ホーネッツの最大の強みはディフェンスであるだろう。NBAのゲームでは多くの守備面での単純なミスが見られるが、ホーネッツからはそういったミスはほぼ見られない。全員がチームメイトを信頼することで各選手が正しいタイミングでいるべき場所にポジション取りをできていることが彼らのチームとしての守備力の高さを作り上げている。ギャンブルをほとんどせずに相手をリムから遠ざける。
彼らは相手選手を不得意なポジションへと追い詰め、また多くの難易度の高いシュートを打たせる。また、ショットクロックぎりぎりまでシュートを打たせなくさせる。ホーネッツはマイケル・キッド・ギルクリストを始め運動能力の高い選手が多くいるため、彼らがハードワークをし、いるべき場所にいることでこういった守備を可能にしている。
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