1、ヨハン・サンタナ(MIN→NYM) / トレード、6年$137.5M
NYM:ヨハン・サンタナ
MIN:カルロス・ゴメス、フィリップ・ハンバー, デオリス・ゲラ、ケビン・マルビー
当時MLB最高の先発左腕として、93マイルほどのストレートにパラシュートのように落ちると言われていたチェンジアップを武器に、2004年から4年連続サイ・ヤング賞投票トップ5、うち04、06年は最優秀防御率に輝きサイ・ヤング賞を獲得したサンタナ。しかし、2008年オフにFAになる予定ながら、スモールマーケットであるツインズが4年8000万ドルの延長契約を打診したものの、サンタナはそれを拒否。これにより、07年オフはツインズがサンタナをトレードで放出する方針を固めた。最初は3年連続ALDS敗退し、当時若手有望株だったフィル・ヒューズ、イアン・ケネディ、メルキー・カブレラを駒にするヤンキース、ジョン・レスターやジャコービー・エルズベリーを駒にする07年のチャンピオンであるレッドソックス、そして07年は9月に歴史的大失速でフィリーズに地区優勝を奪われ、レイエスを駒にするメッツの三つ巴となった。
しかし、ツインズが交換相手に高望みをしすぎると、ヤンキース、レッドソックス共に若手有望株を放出するのをしぶり、交渉が頓挫。結果、メッツが6年1億3750万ドルの延長契約とともに、サンタナをトレードで獲得した。ただツインズは有望株の外野手カルロス・ゴメスこそ獲得したものの、当初、話に上がっていた交換相手に比べるとやや見劣りする結果となった。
結果:B
移籍1年目の2008年は16勝、防御率1位とエースとして素晴らしい投球を見せた。09、10年も二桁勝利をあげ、好調だったが共に終盤戦に故障し、9月に投球できないままシーズンを終えた。その後は11年、13年はともに左肩を痛め全休、12年も6勝、防御率4.85と本来の投球を見せることなく、契約を終えた。チームは08年も07年同様、9月に大失速しプレーオフ進出を逃すと、そこから2014年まで勝率5割を下回り、低迷期へと突入した。
カルロス・ゴメス:5ツールプレーヤーとして期待されながらも、打撃で伸び悩み09年オフにJJハーディーとのトレードでブリュワーズに移籍。その後、2012年ごろから徐々に才能開花し、現在もレンジャーズで活躍。
フィリップ・ハンバー:唯一活躍したのが、2011年。ホワイトソックスで9勝防御率3.75をあげたが、それ以外のシーズンはパッとしなかった。
デオリス・ゲラ:27歳となった2016年、エンジェルスで44試合に登板し中継ぎとして活躍
2、ミゲル・カブレラ(FLA→DET)/ トレード
DET:ミゲル・カブレラ、ドントレス・ウィルス
FLA:キャメロン・メイビン、アンドリュー・ミラー、バーク・ベイデンホップ、マイク・ラベロ、エウロ・デラクルス、ダラス・トラアーン
当時、24歳ながら2007年もAVG.320、HR34、119RBIとMLBを代表する打者となっていたマーリンズのミゲル・カブレラが2005年に22勝をあげながら、その後尻すぼみになっていた変則左腕ドントレル・ウィリスとともにタイガースへ2対6でトレードされた。タイガースは06年にALを制覇、07年もプレーオフこそ逃したが、88勝をあげ、グランダーソン、オルドネス、ポランコ、イバン・ロドリゲスなどを擁し得点数AL2位の好成績を挙げており、カブレラの加入でヤンキースに匹敵する打線が完成したと言われてた。
結果:A
08年シーズン直前に8年1億5230万ドルの延長契約をすると、首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回、また三冠王に輝いた2012、13年に2年連続MVPを獲得した。そして2014年には31歳ながら8年2億4800万ドルの延長契約も果たし、2016年現時点でもタイガースの不動の主砲として君臨している。。チームも移籍1年目の2008年こそ最下位に沈んだが、2011年から4年連続地区優勝を果たすなど、プレーオフ常連チームとなった。
ドントレル・ウィリス:トレード後タイガースと3年2900万ドルの契約をしたが、制球難に悩まされ3年間でわずか2勝と期待を裏切った。
キャメロン・メイビン:マーリンズ在籍3年間では芽が出ず、パドレスへ10年オフにトレード。11年は40盗塁をマークするなど活躍。その後、やや停滞していたが、2016年古巣タイガースへ復帰すると、94試合に出場し打率3割をマーク。すると、今オフエンジェルスへトレードされた。まだ29歳で今後さらなる活躍が期待される。
アンドリュー・ミラー:マーリンズでは先発として期待されるも芽が出ず、10年オフにトレードされる。しかし、2012年にリリーフとして53試合に登板すると、その後オリオールズ、ヤンキースに移籍し、年々凄みを増し、2016年はインディアンスへシーズン途中トレードされると、大車輪の活躍でALCSのMVPに輝くなどMLBを代表するリリーフ投手となった。
バーク・ベイデンホップ:09年に中継ぎとして、頭角を表すと、10年から15年まで6年連続50試合以上登板する中継ぎ投手に成長した。16年はメジャー登板なし。
エウロ・デラクルス:メジャーでは花咲かず、2010年にはヤクルトに在籍した。
3、トリー・ハンター(MIN→LAA)/ 5年$90M
当時、前年まで7年連続のゴールデングラブ賞を獲得するなど球界最高の守備力と長年ツインズの主砲として活躍していたトリー・ハンター。生え抜きであったハンターはツインズへの愛着も人一倍だったが、FAになった球界最高クラスの外野手、当時31歳のハンターをスモールマーケットのツインズが他球団とマネーゲームできるわけなく、結果エンジェルスと5年9000万ドルで契約した。エンジェルスは2007年、94勝をあげ地区優勝を果たしたが、ALDSにレッドソックスにスウィープで敗退。主砲ゲレーロを支える打者を探していたエンジェルスにとってハンターはベストマッチであった。
結果:B
契約時31歳のハンターへの5年契約はリスキーだという声もあったが、契約が切れるまでの5シーズン大きな離脱もなく、平均AVG.286、HR21という安定した成績を残し続けた。守備は2011年からライトに回ったが、変わらぬ高い守備力を誇った。チームは2008、2009年と地区優勝を果たすものの、プレーオフで敗退。その後、ゲレーロの衰えとともに2010年からの3年間プレーオフを逃し、2012年にデビューしたトラウトの時代へと移っていく。
4、アンドリュー・ジョーンズ(ATL→LAD)/ 2年$36.2M
10年連続GG賞獲得、90年代後半からブレーブスの黄金時代を引っ張ってきたアンドリュー・ジョーンズ。2005年には51本塁打を放ち本塁打王にも輝いた。2007年シーズン前はオフシーズンの野手の目玉になると言われながらも、まさかの大不振に陥り、結果ドジャースと2年3620万ドルというシーズン前には想像できないような契約を結んだ。ドジャースは2007年、ジェフ・ケントの20本塁打が最高と長打不足に悩まされ、プレーオフを逃した。売り出し中のケンプ、イーシアーと共に打線の核になることを期待され、獲得した。
結果:F
移籍1年目の開幕から打率2割を切る大不振が続き、後半戦からはレギュラーを外される始末。すると、2年目のキャンプ前に契約を破棄し、退団するという最悪な結末を迎えてしまった。
5、黒田博樹(広島→LAD)/ 3年$35.2M
11年間、広島のエースとして活躍した黒田がFA宣言し、結果前年、FAのシュミット獲得が大失敗に終わったドジャースが獲得した。この当時はWBCで優勝したこともあってか、日本人選手バブルのような状況であり、福留がカブスと4年4800万ドルで契約したほか、福盛、小林雅、薮田と5選手がメジャー契約を手に入れた。
結果:A
1年の契約延長を含むドジャース在籍4年で41勝、その後のヤンキース3年を含む計7年で79勝をあげ、これは日本人選手では野茂の123勝に次ぐ2位。しかも、7シーズン全てで防御率3点台と抜群の安定感を誇った。
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