トム・ティボドーが作り出すオフェンスは個人技に頼り、あまり高い評価を受けていなかった。一方で彼が構築したディフェンスはNBAのディフェンスの概念すら変えてみせるほどのインパクトだった。
ティボドー・ディフェンスのイメージは柔軟性に長け、ドライブする選手を囲い込む頑丈なものだというものだ。一方、ティボードの指揮したチームで年間トップ10の攻撃成績を上げたのはわずか1度のみだ。
ティボドーが指揮したブルズのオフェンスはデリック・ローズのドライブからのフィニッシュとドライブからシューターへのパスというパターンに頼っていた。決して、完全なものではなかったが、一定の攻撃力は兼ね備えた。辞任するまで、ティボドーはブルズをプレーオフ常連チームへと進化させた。
ティボドーがティンバーウルブスの新監督に就任した時、大方の予想はこの若いチームの守備を改善させることだった。ウルブスはまだ若いチームで荒削りである。昨シーズンは特に守備面で大変苦戦した。しかし、ここまでは守備面で昨シーズンと大きな変化は見られず、再び苦戦している。
「チームを指揮する上で、そのチームの強みと弱みを知る必要があると思う。我々は自分たちがどのレベルのチームであるかを見極め、それを受け止めなければならない」そして、どのようにチームを良くしていくか、良くしていくためには毎日何をしなければいけないのかを考えなければならない。この作業に近道はない。」
先週のオーランドでの試合前、ティボドーはこう話した。ティボドーはディフェンスを指導する手順のスピードを速めることはないだろう。若手選手たちは練習で守備の仕方を指導され、それを反復することで学んでいく。ウルブスの守備はいずれ改善されるだろう。
ディフェンスは彼らの強みではない。まだ。
しかし、一方でティボドーはヘッドコーチとしてのキャリアで初めて多彩かつ才能溢れる攻撃力を持つ選手たちを多く抱えている。そして、ここまでウルブスのオフェンスは好調だ。ティンバーウルブスの100ポゼッション平均110.4ポイントはリーグ2位の好成績だ。ウルブスのオフェンスは恐ろしく強力だ。
カール・アンソニー・タウンズは2年目にして、ポストプレーではあらゆることが可能であり、未だに成長を続けている。今シーズン1試合平均22.0得点を挙げているにもかかわらず、さらなる可能性を感じることができる。
タウンズの1年前のドラフト1巡目だったアンドリュー・ウィギンスも素晴らしい攻撃力を持つ選手だ。現地15日のホーネッツ戦での29得点、先週の47得点など、ここまで1試合平均26.6得点、スリーポイント成功率54.1%の好成績を挙げている。
ザック・ラビーンもここまでスリーポイント成功率46.7%、1試合平均19.7得点と好調でタウンズ、ウィギンスとともにビッグ3と言われるに値する成績を残している。そんなラビーンがキャリアハイの37得点、スリー7/9だった先週のマジック戦後、タウンズはラビーンについて、
「彼はコートにいる時、違いを作れる選手だ。彼のエネルギーは自動的に私たちを変化させる。常に効率よく得点する必要はない。彼はコートにいるだけで他の選手が得点をあげることがより容易なものになる。」
守備重視のティボドーがここまで一転、リーグで素晴らしいオフェンスを構築している。
だが、ウルブスはまだ若いチームだ。ラビーン、ウィギンス、タウンズはいずれも若干21歳。彼らは素晴らしいチームになるポテンシャルがあるが、未だにどのように試合を締めくくり、勝つかを学ぶ必要がある。これがウルブスのような若いチームが成長する方法だ。
ティンバーウルブスは未来が明るいチームだが、現時点では3勝7敗とまだ優秀なチームだとは言えない。ティボドーはいずれ彼の得意なディフェンスを向上させるだろう。これが達成されたとき、ウルブスはティボドーが指揮したセルティックスやブルズのような真のプレーオフ常連チームへとなるだろう。
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